王国の恋物語 8
その次に彼女から連絡があったのは二日後の10月15日のことだった。
「連絡できずごめんねハニー」と謝ってきた。彼女に嫉妬したKingにスマホを取り上げられ連絡が出来なかったのだという。こちらから毎日WAで連絡していたのだが何の返事もなかった訳だ。今も病院で彼のお相手をさせられているとのことで、疲労困憊している様子だ。King の異常な執着心と、それを断れない彼女の心理状況にただならぬ気配を感じたのはこれが最初だった。彼女はその夜も病院に泊まることになった。
翌朝彼女からWAで連絡が入った。
彼女:Morning honey
I just wake up... not feel good
自分:I'm so glad to here you again
Do you want to see me today hon ?
I have to make my plan now
彼女:I'd love to see you but can we meet with out doing sex ?
I have a lot of thing to do before going to XXX
May b we can meet for lunch time
I'm at hospital in XXX taking care King now
僕のスマホにグーグルマップで彼女の現在位置が送られてきた。
自分:What time should I go there ?
彼女:Please come now
I want to see you honey....
彼女の待つ病院に着いたのは1時間後の事だった。病院のパーキングで待ち合わせをし、彼女が車に乗り込むいやいなや激しいキスの応酬となった。久しぶりの再会に逢う前からお互い燃え上がっていたのだ。その後近くのレストランで昼食を共にした。
病院に送った後、彼女が大胆にもKingに会ってみないかと誘ってきた。どんな豪華な病室にいるのだろうか興味があったので、彼女の後ろにのこのこ付いていった。
King は奥の部屋で酸素吸入マスクをつけ静かに眼を閉じていた。我々が入ってくると気が付いたのか窪んだ眼でこちらを窺っている。彼の顔と病室の様子は既に写真で見ていた。小太りの奥様が中で待っていて珍客を迎えてくれた。ホテルのスイートルームのように入り口付近は来客用のスペースになっていて、テーブルとソファーが備えられている。病室とは完全に仕切られていて、看護人がそこで休息できるようになっている。
おもむろにKingは起き上がり、見慣れない来客に挨拶をしようとベッドから立ち上がりよろよろと近づいてきた。彼の目を見ながら握手をし自己紹介をした。手足が極端に瘦せ細り、年老いた病人という感じで、XXX旧王家の血筋を引き自らをKingと名乗るほどの威厳は何処にも見えなかった。彼と会って話をしたのはこれが最初で最後になった。彼女の口から、タバコとコーヒーが好物でそれ以外のものは殆ど口にしない生活を長年続けていると聞いていた。
King は僕が去ったあとであの男は誰かと彼女に問いただした。彼女は自分の友人でホステル経営のためにKingが所有するシステムが欲しいのだと説明した。
彼女:Now U see the King
He ask me who is that man and why you are with him
I told him He is my friend need your system for his hostel management
自分:He is wondering about me...
Did you tell him I'm your boy friend ?
彼女:Ha ha ha U want to kill me honey ?
自分:Don't worry he can't catch you but will get heart attack !
その夜、又しても彼女は病院に泊まり、翌日のプロジェクト・ミーティングに備えて資料を確認していると連絡してきた。大きなプロジェクトを成功させるため、要人との重要なミーティングが翌朝あるというのだ。
次回に続く
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