王国の恋物語 4
今から思えば、そんな甘美なひと時は長い人生の中では「一瞬の間」のことで、残りの時間の殆どは何と味気なく苦痛にまみれていることか…。それをこの後、嫌と言うほど思い知らされることになった。
彼女を車に乗せて数時間前に出会ったレストランまで送り、自分の車で自宅に戻った。その間も痴話話をしながら戯れてくる愛しい女だった。こんな女となら一緒に暮らしたいなと、ふとそんな気になった。その後、彼女は近くの港に弟を迎えに行くのだという。飛行機に乗り遅れた弟がフェリーで着くのでその船の到着を待たねばならないとのことだ。
家に戻るとさっそく彼女から WhatsApp で連絡が入ってきた。別れたばかりなのにもう寂しいとか、僕のペニスの何処が好きだとか具体的に話してくる。暗い港に車を止め、そこから見える夜景の写真を送ってきた。WhatsApp はなかなか便利なツールだと感心させられた。この会話ツールがなければ、二人がさほど親密な関係に発展することはなかったのではないかと思えるほどだ。写真を交換することにより何時も一緒にいるという感覚になれる。
次は知っているヴィラ・ホテルに一緒に行こうとのお誘いで、プライベート・プールがあるので、水中SEXしたいとおねだりしてきた。こちらもベッドの中から、また君を愛したくなったと返事をしてやった。それは冗談ではなく半ば本気でもあった。
次回に続く
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